グルタチオン療法
1)グルタチオンについて
①グルタチオンとは何か?
グルタチオン(glutathione)は組織に広く分布するSH基をもった化合物です。グルタチオン(還元型グルタチオン、reduced GSH)はグルタチオンペルオキシダーゼを介として過酸化水素や脂質ヒドロペルオキシドを還元し解毒します。薬剤としてのグルタチオンは,SH基により体内での抱合反応を賦活して解毒を促進する作用や、抗アレルギー作用があります。なお、グルタチオンの経口投与は腸で吸収されるまでに多くが壊れてしまうため、点滴療法と比べて著しく効果が低くなります。 近年 パーキンソン症候群や抗ガン剤投与後の神経知覚障害 強力な抗酸化作用などに効果があることが判明し 注目されています
②効能効果
(1)薬物中毒,自家中毒,周期性嘔吐症
(2)慢性肝疾患における肝機能の改善
(3)急性湿疹,慢性湿疹,皮膚炎,蕁麻疹,リール黒皮症,肝斑,炎症後の色素沈着
(4)妊娠悪阻,晩期妊娠中毒
(5)角膜損傷の治癒促進
(6)放射性療法による白血球減少症,放射線宿酔,放射線による口腔粘膜の炎症
このうち歯科口腔外科領域においては
口腔癌治療の副作用の予防 抗ガン剤投与量制限因子の抑制
口腔癌治療による末梢神経障害の抑制
難治性口内炎の消炎
歯肉粘膜 口唇の色素沈着 損傷治癒促進
歯科用金属アレルギーの治癒促進
歯科材料や歯科用薬品による薬物中毒の解毒
歯肉や口腔粘膜の抗加齢 などに効果が期待できます
③投与方法
(1) 初回はグルタチオン600mgを生食20-40ml(または生食50mlボトル)に溶解し、15-20分かけて静注または点滴投与する。
(2) その後は200-400mgずつ増量、病状や経過によって最大2500mgまで増量する。
(3) 平均グルタチオン投与量は1400mg、投与頻度は週2~3回である。
(4) 化学療法後の末梢神経障害では2000mgの投与とする。
④グルタチオン点滴療法ができないケース
腎機能の低い方や栄養状態の悪い方 脱水症状の方 現在透析治療中の方はこの治療を受けることが出来ません
2)治療対象疾患
上記に示した②の効能効果により以下に示す疾病の治療と予防に使用します
ただしすべてのケースにおいて100%結果を保証するものではありません
① 難治の歯周病 歯肉炎 歯肉出血
② 難治の口内炎 口唇ヘルペス症
③ 三叉神経痛・顔面神経痛
④その他 口腔外科 頭頸部外科領域の諸症状の治療と予防
4) 料金 保険適用外のため 自費診療です 以下の通りです
グルタチオン点滴注射(薬剤料 処方料 注射手技料含む)
1回1000mg ¥6,600 15分~30分
1回2000mg ¥8,800 30分~50分
1回3000mg ¥11,000 30分~60分
注射料金とは別に初めての方は初診料(1,000円ほど)
2回目以降から再診料(180円)が必要です
キレーション療法
NaEDTAとCaEDTAが最も多く使われています 国内ではCaEDTA(ブライアン)が入手可能です 腎毒性があるため投与に際してはクレアチニンクリアランスなど腎機能を把握しておく必要があります
かつて当たり前に使われていたアマルガム充填や失活剤としてアルゼンブラックを使用された経験のある先生方には 是非おすすめしたいメニューかと思います
(1)有害重金属除去 : 鉛 水銀 ひ素 カドミウム タリウム クロム ニッケル スズ アルミニウム等の有害重金属除去
(2)活性酸素除去 : free radical (Cu++,Fe+++の減少)
(3)動脈硬化改善 : CA-EDTAはカルシウムイオンを血管内から吸着する反応はないと言われていますが 血管壁内の重金属を除去することによる血管再生促進効果があると考えられています
当院はキレーション療法普及協会のサイトに掲載されております
1回3g カルシウムEDTA使用 ¥11,000
但し初回全身検索のため血液検査料 別途¥11,000
注射料金とは別に初めての方は初診料(1,000円ほど)
2回目以降から再診料(180円)が必要です